2006年6月10日 イタリア・ローマ市内




 翌日です。
 飛行機内で一睡もできず、ホテルに着いても眠れず、翌日になってしまいました。
 体調、大丈夫かなーと思いつつも、1Fの食堂へ。ろくすっぽ食べる気になれず、トマトとレタスを2,3切れ。
 眠れないのは緊張もありますけれど、とにかく部屋が寒いのです! 冷房が入っていて、暖房は不可能。冷房を切るものの夜ですからたかが知れています。そして布団は夏仕様…。
 そして後々まで我々を苦しめたのは、ポットが無いということ。日本のホテルは、安いビジネスホテルでも電気ポットが備え付けてありますよね。それは…海外では通用しないのだと知りました。これが思いのほかダメージなのです。日本人とは、温かい飲み物が無いと精神的に落ち着かない民族なのかもしれない。とまで思いました。

バチカン前でアウト
 さて、この日はバチカン市国とコロッセオを見学に行きます。
 バチカンはご存知、ローマ市の中にある小さな国です。有名なだけに、毎日入り口には長蛇の列なのだそう。
 まだ朝7時ぐらいでしたが、もう行って並ばないと後が大変だとのこと。バチカン見学はなめたらいかんそうです。
 行ってみると、ホテルからそう遠くない場所に高い石の塀がめぐらされていて…うわー。コミケの一般入場列みたい。すごいです。一番前にいる人は一体何時から並んだんでしょう。
 我々一行も並ぶのですが。その場所が…日陰なのです。いや、列はこの時期ほとんど日陰。ここで私の具合が悪化。ここまでずっと寒さ攻めに遭い、一睡もできていないのですからもう当然。
 幸い、現時点で吐くとか下すとかの症状はないので、添乗員さんに棄権を表明。タクシーを呼んでもらい、私はホテルへ帰って、晩ご飯まで部屋で眠りました。相変わらず寒いので、コートを着たまま寝ました。

 そんなわけで、この日の写真は上記食堂の写真だけという事態に陥りました。初日からああた…。
 しかしまあ、ぶっ倒れたりする醜態は避けられた訳で。我ながら病気上手、としておきます。


早速カルチャーショック
 ところでこの日、驚いたことがひとつ。ジプシーという存在です。
 バチカンの前で並ぶときに添乗員さんに厳重に注意されたのは、ジプシーを絶対に相手にしてはいけないということ。
 並んでいると、ジプシーの人達がお金を恵んでくれと順に回ってくるのだそう。善意で財布なんか出したらもう最後、ひったくってトンズラ。
 また、実際にあったというタチの悪いのは、急に女が抱いている赤ん坊をこっちに投げてよこし、こちらが思わずキャッチすると、その両手が塞がっている間に荷物をいただき…。とにかく関わってはいけないのです。
 私は日本という民族紛争の無い島国に生まれ育ったので、この感覚にカルチャーショックを受けました。差別がどうのとか、簡単に言えることでは無いのです。何百年か千年以上か続いている覆し難い状態なんだろうと感じました。覆すには同じぐらい長い時間が必要なんでしょうか。うーむ、これが世界というものか…。




 ↑これが後で撮った、えらく寒い部屋。窓にはシャッターが閉まっていて、開け方がわからないのもポイント…。
  作り付けの家具はかわいい。

外国に来ても見る物はアニメ
 ホテルの部屋のテレビをつけていたら、アニメをやっていました。  見ていると30分ものではなくて映画のようです。もちろんイタリア語ですが、たぶんアメリカ制作のアニメです。
 内容は、人間の体内で白血球のキャラと、送り込まれて来た風邪薬のキャラが活躍するお話。驚いた事に、人間は実写で、しかもビル・マーレー。面白いのでしばらく見てしまいました。
 日本語版なら、白血球の声は山寺宏一で、風邪薬は玄田哲章だな…と思いました。
 ちなみに帰国してから調べたところ、『バクテリア・ウォーズ』(原題OSMOSIS JONES)という日本では劇場未公開のアニメ映画。
 テレビ版があって、そちらは日本でも『オジー&ドリックス』というタイトルでカートゥーンネットワークで放映されているようです。声優は山寺宏一と玄田哲章ではありませんでした、残念。


 そんなわけで旅行初日はぐったりでした。
 もちろん1日休んだだけで全回復するようなものではなく、後々までひきずる訳ですが、これ以上の悪化はありませんでした。
 あ、最初の写真はホテルの食堂です。1枚1枚微妙に色が違ってかわいらしい窓です。全体的に船室のような装飾でした。



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