appendix > お裁縫 >ブックカバー


布製でとにかく薄いブックカバーを目指して試行錯誤し、この作り方にたどり着きました。
本の厚さにあわせてサイズ変更できるアジャスタブル式は、どう考えても厚みが増すのであきらめました。それより、本の厚さ別にブックカバーを用意しておけばいい話ではないですか。というわけでブックカバーだけはガンガン増えています(左)。

厚みを少なくするため、縫う箇所を最低限にしています。現在のところ、これが究極型だと思います。サイズ変更できないタイプのみです。

ちなみに布製の工業製品では、弥生美術館で売っている竹久夢二ブックカバーが薄さの最高峰だと思います。柄もかわいいのでおすすめです。


【作り方】
 基本は「文庫・新書サイズの作り方」をご覧ください。
 文庫・新書サイズの作り方 / 本に合わせて作る方式 (ハードカバー本/スケッチブック,リングノート)




【共通】作る前に布の「水通し」

お裁縫の基本ですが、布は「水通し」(地のし、地直し)が必要です。
布は水に濡れると縮む性質があるので、裁断、縫製する前に一度水に浸けて、あらかじめ縮ませてしまう工程です。また、布目を整え、折りじわを取る目的もあります。
ブックカバーは服と違って洗濯する機会があまり無さそうなので、やらなくてもまあ大丈夫ではありますが、他の人にあげるような目的でしたら、やっておくことをおすすめします。

水通しのやり方(※綿、麻素材の場合)
【1】布の耳(端部分)を切り取ります。
【2】布を一晩ほど水に浸け、繊維に水を含ませます。布は折りたたんだままでOK。
【3】洗濯機で軽く脱水にかけます。布は折りたたんだままでOK。
【4】布目を整えながら、湿った状態の布にアイロンをかけて乾かします。アイロンは布目に対して必ず縦横に滑らせます。斜めはNG。
アイロンではなく自然乾燥でも可能ですが、吊るして干すと布目が歪む可能性が高いのでおすすめしません。布を水平に広げられるスペースがある場合は、布目を整えて(陰干しで)乾燥させてください。

上記は服などを作る場合の大きな布地の水通し方法なので、ブックカバー程度の布の大きさなら、霧吹きで水を全体にかけて→アイロンをかける、方法でだいたいはいけます。必ず裁断前に(縮みやすい素材は1cm以上縮んでしまいます)。

※絹など、素材によっては水NGの場合があります。特殊な布を使う場合はよくお調べください。




【共通】材料、道具について

材料表布
裏布
接着芯
手縫い糸(布と同系色)
しつけ糸(なければ木綿糸で可)
(任意)しおり用のリボン、または革コードなど……適宜
道具縫い針、待ち針、はさみ、定規、チャコペン(なければ色鉛筆やサインペンで可)、アイロン

※ 表布………一般的なシーチングや綿ローンを想定しています。キャンバス地などの若干厚い布を使った場合、キツキツになる可能性があります。すこし大きめを意識して作ることをおすすめします。また、白っぽい布は当然裏布が透けるので、あまりおすすめしません。
※ 裏布………本と接する部分のため、ちりめんやサテンのようなサラサラした布を使うと本が滑って、持ちにくくなります。そういった系統のものは避けてください。
※ 接着芯……接着芯は布の裏面に貼り、布を補強する役目の布です。アイロンの熱で溶ける糊が塗布してあります。大きく分けて不織布、ニット地(伸縮性のあるもの)があります。糊が片面のもの、両面のものがあります。また固さ、厚さ、色、糊の溶解温度も各種あります。
 ここでは不織布で糊が片面で、固さ・厚さが「普通」と表記されているものを使ってください(メーカーによって表記が様々なので、ハッキリどれと言えないのですが...大体そんな感じのものを。ニット地は避けてください)。1mx2mで300円ぐらいと安価です。手芸用品店で購入できます。
 表布に黒色系統で、目の荒い布や薄手の布を使う場合は、黒色の接着芯を使ってください。
 表布に合皮やビニール系などの特殊な布地を使う場合は、低温接着用を選んでください。
 表布にキャンバス地など、もともと厚くて固い布を使う場合は、不要です。
 普通の布で接着芯無しでも作れますが、かなりヘナヘナになります。
※ しつけ糸…仮縫いに使う糸です。100円ショップでもよく売っています。(アイロン以外の道具類も100円ショップでだいたい手に入ります。) 無い場合は木綿糸で大丈夫です。
※ しおり用のリボン、または革コードなど………あれば御用意ください。リボンなど平たいものは幅3〜3cmぐらいが手頃です。平たくても、あまり厚みのあるものだと本が痛みます。革コードなどは直径1〜1.5mmほどのものをおすすめします。太いと挟みづらく、本も痛みます。




 猫素材:ポオリィポオリィ様


[ back ]  禁・無断転載