『ゾーイ』は季刊『夢幻館』誌で08年にスタートした中山星香先生の漫画です。現時点(08年2月)ではまだ第一話のみです。 実は中山星香先生の漫画は初読でした。タイトルや絵はよく見聞きしていたのですが、実際には機会がなく。 第一話は、一読しただけでは意味がよくわからなかったのですが、二読目でなるほど。ユーファリアムのかわいさにKOされました。 ※以下、ネタバレがありますので御注意。 タイトルはお供の飛猫の名前ですが、主人公はユーファリアム。 知らない方のためにあらすじ...その世界には人間の国と妖魔の国があり、長い間争っていました。ある時、共同戦線として夢幻境での夢魔狩りが行われ、人間の国の弟王子・アリアドと妖魔の国の弟王子・ユーフィリアスが代表として選ばれました。彼らは苦難を共にして親友となるのですが、人間の国の王が死亡し、その弟であるアリアドが即位します。妖魔の国でもユーフィリアスの兄が王に即位。政権交代で情勢が不安定の中(おそらく)、ユーフィリアスは親友を助けてやろうと「性別の実」を食べて女に性転換し(!)、妖魔の国の姫・ユーファリアムとなってアリアドのもとに嫁いできます。それで両国の平和条約が結ばれます。が、一応婚約はしているものの、アリアドは結婚してくれる気配がありません(そりゃそうだ..)。そして人間側にも妖魔側にもこの条約に不信や反発を抱く者がおり、双方の陰謀の影が見えかくれする...というような感じです。 ユーファリアムはもともと美少年なので、女になっても本当は美少女なのですが、「性別の実」を2個食べた副作用のため、「幼体」(蝶で言えば幼虫の状態?)のまま。そばかすだらけで髪はボサボサ。じつは髪をほどくと「成体」(美少女)になれるのですが、魔力が暴発してしまうため、仕方なく髪を結って封印しています。妙な髪型はそのせい。「性別の実」を2個食べて生き残った者がいないため(大概は死ぬ)、果たしていつ成体になれるのか、全くわからないのでした。 「性別の実」を2個食べた理由は詳しく語られていないのですが、たぶん、男になるか女になるかの確率が2分の1のため、1個目では男になってしまったんじゃないかなあと思います。または、ユーフィリアスは半人半妖なので、1個目では効き目がなかったとか。違うかな。いろいろとわからない部分があるので、今後の展開が楽しみです。 ちなみに、ユーファリアムは中身はちっとも変わっていないので、言動はほとんど男の子です。そのくせ、結婚する気は満々。どうやら性に関する感覚が人間とはだいぶ違うようです(それとも、ユーファリアムが変わってるだけ?)。 アリアドはユーファリアムが嫌いという訳ではないようですが、女として見ることはできないでいるようです。双方の国のためには、結婚すべきなんでしょうが...複雑です。 ユーファリアムのブラコン(シスコン)の兄が、ユーファリアムを結婚させまいとして、アリアドに新しいお妃候補としてモナルーダなる美女を送り込んでくるんですが、彼女はユーファリアム(ユーフィリアス)の元ガールフレンド...。モナルーダがユーファリアム及びアリアドをどう思っているのかはまだ不明ですが、複雑〜。 こういうジェンダーな話って好きです。 リンク:中山星香先生のサイト。 Nerimadorhouse 『ゾーイ』は年2回のペースで執筆予定だそうです。 おまけ、ユーフィリアス(ユーファリアムが男だったころ)。 あのキラキラ感は出せません。 ![]() |